絶望の国の幸福な若者たち 読書感想

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若者による若者論です。2011年著。社会学の研究者。

 

「」ない抜粋。

「あらゆる近代社会は「二級市民」を必要としてきた。」

二級市民、つまり市民権を持たない限定承認の人たち。昔は女性、今は移民をこの席につけようとしています。二級市民の席は座り心地が悪いのです。。。日本は上級国民、普通国民、底辺の三つに分かれているようですが今、普通国民が薄くなって底辺に吸収されていくようです。普通国民がなくなると何かあった時、上級国民が即底辺に転がり落ちますが、そちらを選択するのか。面白いです。

 

「戦争とは本来ジェノサイドを目指すものではなく、できる限りインフラや人命を残しつつ、最小限の被害で統治機構の破壊を目的とする外交手段である」

部分的に同意します。戦争が外交手段の札の一つであることは確かですが、相手の統治機構を破壊すると大変です。相手の国にも人が住んでいますし、既存の機構を使って頭だけすげ替えた方が混乱が少ないです。ただ、社会を構築する規則を超えて暴力を用いるのだからそれなりの理由が必要なようで、自分達が危機に瀕している等。基本的規則が暴力禁止としている世の中では、暴力とは本当に扱いづらいです。扱い慣れていないから簡単に暴走します。困ったものです。