イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか 感想

先日読んだアジサイはなぜ葉にアルミ毒を貯めるのか 3部作の

1作目です

作者の木に対する強い敬意と理解が感じられます。

一作目のほうが興味深い内容です

 

 

以下抜粋です

「樹木でも、寒さにも暑さにも強い、乾燥にも湿潤にも強い、日陰でも日向でもよく育つ、そんなオールマイティーな「スーパーツリー」は見当たらない。これは、体にまわせる栄養は限られていることや、役に立たない余計な器官を持っていると生き残る力が弱くなるからであるようだ。  ー略ー  樹木の生育には厳しい環境ではあるが、あまり競争が激しくないので、その環境に耐えられる種にとってはまとまった群落を作りやすいのである。

 

冬芽とは亜熱帯にいた植物が温帯に進出したときに身につけた体制

亜熱帯と温帯の大きな違いは、冬に気温がマイナスになるか否かである。  そこでは、冬に芽を開いてしまうと枯れてしまう。 

 

 

針葉樹は広葉樹よりも古くてあまり進化していないタイプであるといわれる。  別の方向では画期的に進化した部分もあった。 悪い環境条件(寒さ、乾燥、特殊な地形、積雪など)に対する耐性を獲得したことである。

つまり「耐える」方向に進化したのである。

 

すでに占有している場を維持するのは「守り」である

萌芽することによって延命を図り、そのうちに新たな攪乱が起こるのを待つ。守りは攻めにも通じるのである。」

 

 

植物のしたたかさ、強さに圧倒されます。

現代に生き残っている彼らもまた生存競争の勝者なのです。

 勉強になります。

イタヤカエデが自分の幹を枯らすのは大規模な食い扶持の削減でした。

生き残るために稼ぐ手段を切り落とすとは大胆な手段に出ます。